こんにちは。
海外帰りの寿司屋の娘、Satomiです。
私は現在、「すしを入り口に、日本文化を自分の言葉で伝え、伝統を活かしながら発展させていける人を育てる」
というコンセプトのもと、出張講座やセミナー、監修などの活動を行っています。
私の講座は、すしの作り方を教えるものではありません。
すしという世界共通のテーマを通して、その背景にある日本の美意識や精神性、考え方をひも解き、それを「自分の言葉」で語れるようになることを大切にしています。
最近、飲食の現場で
手袋をして調理する姿が増えています。
寿司の世界でも、そうした光景を見ることがある。
それを「安心」と感じる人もいれば、
どこか引っかかる人もいる。
その違いは、どこから来るのでしょうか。
これは単なる衛生の話ではありません。
前提の違いの話です。
なぜヨーロッパは「触れない」を選んだのか
ヨーロッパでは、
ペストやコレラといった感染症が何度も大流行しました。
街が機能しなくなるほどの規模です。
19世紀になると、
ルイ・パスツールやロベルト・コッホらが
目に見えない“菌”の存在を科学的に証明しました。
ここで社会の前提が変わります。
人は、悪気がなくても
菌を運んでしまうかもしれない。
だから、
直接触れない。
遮断する。
これが近代衛生の基本思想です。
さらにアメリカは訴訟社会。
安全とは「守ること」よりも
「守っている証拠を示すこと」。
手袋は、安心の可視化でもあります。
ここまでは、とても合理的です。
日本はどう守ってきたのか
日本も清潔を重んじてきました。
でも方法が少し違います。
禊(みそぎ)
清め
所作
そして「間」という感覚。
『古事記』に描かれる禊は、
菌の話ではありません。
“気を整える”話です。
乱れたものを整える。
外を遮断するよりも、まず内側を整える。
日本はそういう社会でした。
寿司はその延長線上にあります。
手を洗う。
呼吸を整える。
一貫に責任を持つ。
つまり、
人そのものが品質保証になる。
そんな思想です。
いま日本で起きていること
現在、日本では
厚生労働省の基準やHACCPといった
国際的な衛生管理が導入されています。
これは悪いことではありません。
ただ、問いがあります。
日本の思想を活かしたグローバル対応なのか。
それとも、形だけの模倣なのか。
たとえば、
手袋をして
レジを触り
スマホを触り
そのまま食材に触れる。
それは本当に科学的管理でしょうか。
それとも
「やっています」という演出になっていないでしょうか。
制度は必要です。
でも制度だけでは、文化は残りません。
文化を守るとは何か
文化を守るとは、昔に戻ることではありません。
制度を否定することでもありません。
本当の問いは、
日本の思想を残したまま
世界基準に立てるのかどうか。
外側を真似ることは簡単です。
でも、内側の哲学まで手放していないか。
そこが問われています。
あなたは、
管理された安全を食べたいですか。
それとも、
整えられた人の仕事を食べたいですか。
正解はありません。
でも、
どんな前提で社会をつくるかは選べます。
人を育てる社会であり続けるのか。
人を疑う前提で仕組みをつくるのか。
あなたは、どう思いますか。
参考・引用
・ペスト(国立健康危機管理研究機構)
https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/plague/index.html
・病原体理論(Germ theory)
https://en.wikipedia.org/wiki/Germ_theory_of_disease
・禊(國學院大學 古事記解説)
https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/kojiki/%E3%81%BF%E3%81%9D%E3%81%8E%E2%91%A0/
・HACCP(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000179028_00003.html
Youtube
このチャンネルでは、日本の食文化やすしにまつわる面白い話を発信しています。
チャンネル登録といいねボタンを押して、次回の動画もお見逃しなく!すしを通して、日本文化を一緒に学びましょう
1. まずはLINEで、寿司の物語に触れる
すしの歴史やマナーを学べる物語をnoteで連載中です。 LINE公式アカウントでは、限定の先行配信や、お得な抽選クーポンも配布しています。 👉 LINE公式アカウントはこちら
2. 知識と味覚で楽しむ「すし付き講座」
「ただ食べるだけ」から「文化を味わう」体験へ。プロの握りを楽しみながら学べる4つのコースがあります。
-
【寿司道】基本コース:江戸前寿司を気軽に楽しめるようになりたい方へ
-
おすすめ✨【玉元芸人コース】:食事の場で活躍できる知識と日本ならではのもてなしを知りたい方へ
-
【プリン酢コース】:デートや食事会でスマートにエスコートしたい方へ
-
【ガリウッドコース】:クイズ形式で楽しくネタの背景や美学を学びたい方へ
3. 法人・店舗向けアドバイザリー&研修
-
すし店経営者様へ:日本の良さを活かしたグローバル対応、インバウンド対策のアドバイスを行っています。
-
企業・団体様へ:伝統を今の言葉で伝える力を育てる「実践型研修」をご提案します。全国どこへでも伺います。
「食べる」という日常の風習を、「自分を整える文化」へ。 驚きと発見のある時間を、ご一緒できるのを楽しみにしています!
4. メディア関係者・クリエイターの方へ【監修・考証】
アニメ、ドラマ、教材、広告などの制作において、すしや日本文化の「監修・文化考証」を承っております。 単なる間違い探しではなく、制作陣の皆様が「なぜそうなのか」という本質を理解し、自らの表現として文化を落とし込めるようサポートいたします。作品に確かな「説得力」と「美意識」を添えるパートナーとして、お気軽にご相談ください。
5. その他、お気軽にご相談ください
「こんな企画はできないか?」「こんな場所で話してほしい」といった、上記に当てはまらないご相談も大歓迎です。 「ただ食べるだけ」の風習を、背景を知ることで「自分を整える文化」へ。 驚きと発見のある時間を、全国・全世界どこへでもお届けします!

この記事へのコメントはありません。