こんにちは。海外帰りの寿司屋の娘、Satomiです。

私は現在、すし文化を入り口に、「伝える方法を設計できるようになる学び」を提供しています。
相手や目的に合わせて、何を、どのように伝えるのかを考える。寿司道では、この力を「伝達設計力」と呼んでいます。

今回は、お寿司屋さんでさび抜きを頼んでもいいのか、という身近な疑問から、日本の食文化について考えてみたいと思います。

さび抜きを頼んでもいいの?

お寿司屋さんで、さび抜きを頼むのは失礼なのでしょうか?
回転寿司では、ワサビ抜きのお寿司が基本で、ワサビを付けたい人がワサビ入りを選ぶスタイルもありますよね。
一方、回らないお寿司屋さんでは、さび抜きを頼むことに少し抵抗を感じる方もいるかもしれません。
実際に、すし文化講座 寿司道の受講者さんからも、「さび抜きは頼んでいいのでしょうか?」と質問を受けることがあります。
私は、ワサビが苦手な方や食べられない方が、さび抜きをお願いすること自体は、マナー違反ではないと考えています。
では、昔から続いてきた食べ方や、日本の食文化には、どのような背景があるのでしょうか。

ワサビと握り寿司の歴史

ワサビは、握り寿司が生まれるよりも前から、日本の魚料理に使われてきました。
1489年の料理書には、刺身に添える調味料として、ワサビに関する記述が見られます。
また、江戸時代の風俗や食文化を記録した『守貞謾稿』には、当時の握り寿司について、マグロの刺身やコハダにワサビを使う食べ方が記されています。
このように、握り寿司にワサビを使う食べ方には、歴史的な背景があります。
いつものお寿司に当たり前のようについているワサビにも、長い食文化の歴史があるのですね。
では、昔から続いてきた食べ方があるなら、私たちも必ず同じ食べ方をしなければならないのでしょうか。

さび抜きはマナー違反?

ワサビが苦手な方や、体質などの理由で食べられない方もいます。
食べられないものや苦手なものがある場合は、注文するときにお店に伝えておけばよいと私は考えています。
ここで大切にしたいのは、食べ方を選ぶことそのものと、食事をいただくときの心遣いを分けて考えることです。

私たちは食事の前に「いただきます」と言います。

目の前の食事には、食材となる自然の恵みだけでなく、食材を育てた人、魚を獲った人、料理を作った人、食事を用意してくれた人など、さまざまな人が関わっています。
私は、そうした人々への感謝を忘れないことも、食事をいただくうえで大切だと考えています。
だからこそ、食べられないものや苦手なものがある場合は、あらかじめお店に伝える。そして、出していただいた食事は、感謝の気持ちを持って残さずにいただく。
もちろん、体調や体質など、食べきることが難しい事情もあります。ここで考えたいのは、食べ方を一律に決めることではなく、食事や、それに関わる人々を大切にする気持ちです。
私は、そうした心遣いが、日本の食文化における大切なマナーの一つだと考えています。

食べ方の自由と、日本の食文化

伝統的な食べ方を知ることと、自分に合った食べ方を選ぶことは、両立できるのではないでしょうか。
ワサビを使った握り寿司の歴史を知ることで、いつものお寿司の見方が変わるかもしれません。
一方で、歴史があるからといって、誰もが必ず同じ食べ方をしなければならないわけではありません。
さび抜きを選んでもいい。ワサビを付けて食べてもいい。
そのうえで、食べ物や食事に関わる人々への感謝を忘れない。
私は、食べ方の形だけではなく、その背景にある考え方も大切にしたいと思っています。

YouTube動画

今回のテーマについて、動画でもお話ししています。

日本文化を伝えるということ

そして、これはお寿司だけの話ではありません。
日本文化を外国の方に伝えるときにも、同じことが言えます。
例えば、海外の寿司店では、ワサビが別添えで提供されることもあります。
そんな相手に「日本の寿司屋では、お寿司にワサビが入って出てきます」と説明するだけで、その背景まで伝わるでしょうか。
なぜワサビを使うようになったのか。日本では、食事や食べ物を大切にすることを、どのように考えているのか。そして、相手は何を知りたいと思っているのか。
相手の知識や文化的背景を考えながら、何を、どのような順番で、どんな言葉で伝えるのかを工夫する。
自分が知っていることを一方的に伝えるのではなく、相手に合わせて「伝わる」形を考えることが大切です。
英語が話せることと、文化が相手に伝わることは、同じではありません。
寿司道では、相手や目的に合わせて伝え方を考える力を「伝達設計力」と呼んでいます。
この力は、外国人への日本文化の紹介だけでなく、教育、スタッフ育成、企業研修など、さまざまな場面で活かすことができます。

すしを入口に、「伝わる」をつくる。

すしを学ぶことは、食文化を知るだけではありません。
その背景にある日本文化を理解し、異なる文化を持つ相手を理解し、自分の言葉で伝えることにもつながります。

すし文化講座 寿司道では、すしを味わいながら歴史や文化を学ぶ講座のほか、日本文化を相手にどう伝えるかを考える「伝達設計力」を大切にしています。

個人向け|すしを楽しみながら、日本文化を学ぶ

すしの歴史や文化、寿司店での楽しみ方などを学び、いつものお寿司をもっと深く楽しんでみませんか。

企業・教育機関向け|相手に「伝わる」を設計する

外国人のお客様への対応、教育、スタッフ育成など、相手の知識や文化的背景に合わせて伝え方を考える講座・研修を提供しています。
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すし文化講座 寿司道
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