すし文化講座寿司道のSatomiです。

2024年2月18日に和食文化学会東京大会に参加してきました。自分でとったメモで字が読みにくいところがあったので、曖昧な部分もあると思いますが、紹介します。

研究発表

全研究発表を見たかったのですが、同じ時間帯に別の会場で開催するため、いくつかしか見られませんでしたが、どれも興味深かったです。

狸汁ーレシピの進化から和食史を再考

ペラーじょ・プリエと・ミゲル・アンヘル(京都大学農学研究科)

発表していた京都大学農学研究科の研究者さんは「和食を研究する為に日本にきた」と仰っていました。

私は「狸汁」を知らなかったので、とても勉強になりました。実際、「日本人でも狸汁を知らない人が多い」と仰っていました。

江戸時代の「ももんじ屋」の話が出てきて、「ももんじ屋」は、すしを調べていても出てくるので知っていましたが、タヌキはスルーしていたなと実感。改めて「和食」でも知らない事が多いと実感。

和食文化から見た「とろろ汁」の多様性に関する研究

前田節子(静岡県立農林環境専門職大学)、花森功仁子(東海大学海洋学部)、岡田夕佳(東海大学海洋学部)

静岡県立農林環境専門職大学の方が2年間かけて「とろろ汁」を研究した発表を見ました。

芸能・文学とも関係があること、あゆはハレの日にしか食べられないこと、粘りが強く出汁で伸ばさないと食べにくいものなど、その土地ならではの産物や知恵などでできている和食は、やはり興味深いです。

祖父母は静岡県出身なので、その土地のことに知識0ではないとは思いますが、とろろ汁ひとつ見ても地域性があるととてもわかりやすく地図にまとめられておりました。

見学者の中に静岡出身の方がおり、その土地はアジだったというお話をしていたのも興味深かったです。

東:かつお+醤油だし

中部:鰹出汁+味噌

大井川の西:さば+味噌

伊豆はあゆがよくとれるから、あゆ。あゆはゆず入りなど、その地域で取れるものが違うので、当たり前なのかも知れないけど、静岡県内だけでもこんなに違いがあると思うと、日本全国だけでも知らない事が思っている以上にあるんだろうなと思いました。

以前、ブログやYoutubeで全国のすしを紹介していましたが、文献のみで紹介されたものをまとめたもので、実際、その地域の方に聞くと知らなかったり、もっと他のものがあったりします。「そのスシの定義は?」と思うものもあるのですが、まだまだ深く調べていくと、その地域だけでなく、町によっても個性的な違いがあるものだと考えています。

まとめたマップがあると聞いたので、旅行の際の参考にしようと思ったにもかかわらず、見つけられず…見つけたら紹介します。

KHcoderを用いた医心方の構造分析

櫻井要(別府大学)

別府大学の方が、発表していた分析。

まず私は、KHcoderを検索…(笑)分析する際の良い方法を見つけられました!漢和辞典を利用しながら検索。苦労話も聞けた気がしました。

この研究では、医心方で食物の取り扱いの多い、巻二十九食養(1万5430単語)、巻三十食養(2680単語)に焦点を当て、当時の食物についての考え方を考察したようです。

巻二十九食養(1万5430単語)…有毒であるもの。その解毒法と解決法

巻三十食養(2680単語)…無毒で体に良い食べ物

が載っているようです。

平安時代も酒は良くないもののよう。

無毒というのは、味の中でも甘(砂糖のようなものとは別)が多く、良いもの、食べやすいもの、体にとって無毒のもの。

飢えを満たすものが食物で、病気を治療するものを薬だそう。

軽身ーより健康であるためには、「不老」「耐老」「不飢」

というのも興味深かったです。

料亭の座敷空間の評価における店主の説明と伝統的文化活動の経験の影響

田村圭吾(京料理萬重)、池田維(京都府立大学)、松原齋樹(京都府立大学)、杉本直子(京都美術工芸大学)、宗田好史(関西国立大学)、平本毅(京都府立大学)、大関綾(大谷大学)、森下正修(京都府立大学)、神代圭輔(京都府立大学)、古田裕三(京都府立大学)

京都府立大学の方が発表していたものですが、すし文化講座寿司道のすし付きセミナーの受講者様を見ていて思っていた研究結果が出ているように感じました。

・店主の説明後の方が、料亭の空間の居心地の良さ・季節感をより感じるようになる

・伝統的文化活動がある方の方が、料亭の空間の落ち着きを感じる

・伝統的文化活動がある方の方が、和食への親しみ・好みがある

背景的な知識や個人の経験が食体験や和食への印象の一部にポジティブな影響を与えるという結論が出ていました。

また、お店によって「説明」は抑制される傾向にあるが、

・和食やしつらいに関する知識の周知・普及

・顧客の経験や理解度に合わせた適切な説明

で、顧客の食体験・満足感の向上に寄与する可能性があるとのこと。

これは、寿司道受講者さんにも見て取れるものでした。

より「すし」を楽しんでいただくのにもってこいの講座だということを証明してくれている実験だと思いました!(笑)

ポスター発表

昭和初期における晴れ食・行事食の農山漁村比較:軽量テキスト分析を通じて

山根史博(広島市立大学)

広島市立大学の方のポスター発表で、お話を聞きました。

私は「すし」に注目をしてしまうのですが、どの季節にも見れる事ができるもの。

庶民の食事の分析結果にはあまり見る事ができませんでしたが、それは今も変わらないのかな?

個人的には、昭和後期(かな?)は、「江戸前寿司店は結構庶民が気軽にお酒を飲みながらつまむお店」というイメージがあります。

エシカルなWASHOKU ー伊豆かつお魚醤油を例にー

花森功仁子(東海大学海洋学部)

東海大学海洋学部の方がポスター発表していた魚醤油。東南アジアのナンプラーと言われるものです。

日本のものは火を通しているから、東南アジアのものより安全とのことです。

東京では見かけたことはありませんが、静岡へ行った時に発見したら是非購入して試してみようと思います!

また、このお話を聞いている時に、滋賀県の大学教授が一緒でした。

「ふなずしを苦手とする学生もグリーンカレーに入れると美味しい!と食べるよ」と教えていただきました。

いつか挑戦してみようと思います(笑)

その他

にんべんの方の「土佐節」産地減少の要因の一考察の発表を見ている途中で時間が来てしまいきちんとお話を聞く事ができませんでした。

その他、「食科学から考えるもどき料理の可能性」「中食と内食の相互作用についての考察」も少ししか見る事ができませんでした。また機会がある時に詳しくお話を聞きたいと思います。

「和食から見た洋食 / 洋食から見た和食」

シンポジウムでは、パネリスト:三國 清三 氏(ソシエテミクニ)、村田 吉弘 氏(菊乃井)が登壇。

料理以外で2人に共通していることは、「面白い」ということ。「面白さも料理のうまさ」に関係があるのかと考えてしまいました。

日本料理の本質は、引き算の料理であること。神からもらったものに味をつけるのはとんでもない。味は供えるものだという考え方。

素材として最も清いものとして存在する「水」。食材全ては自然や神からの頂き物だから、あるがままの姿で完成形になるという表現の仕方は、とても心が浄化される感じがしました。

やはり日本料理・和食には、根付いた考え方が大きく影響しているなと実感しました。もちろん、他の国の料理もその国ならではの考え方が根付いた料理になっていると思います。

フランス料理は足し算であること。肉が臭いと思ったら、ハーブをプラスするなど。

しかし、世界の料理はどんどん近づいてきていて、昔のように軽くするためにバターを入れることもないし、健康のために切磋琢磨する時代になっているようです。

フランス料理は、小学生の頃に行った事があるけど、あまり記憶にないかな…あとは大学生の時にNYで気軽に入れるお店で行ったくらいかな。だから、そこまで詳しくもないということを前提に残しておこうと思うんだけど…

日本で箸を使っている時代もフランスは手で食べていると知った。だから、フィンガーボール(手で使う食べ物を食べた後に使う水)があるのね。

フランス料理人は、最初にパティシエをすることもここで知った。だから、「デザートっぽい見た目の料理もあるんだな」と思ったし、最近では、日本人でもシェフとして認められているということ。フランスでは才能を評価して、外国人でも認めるということ。

まとめ

今回初めて学会に参加しましたが、思った以上に勉強になりました。大学教授の参加するものだと思っていましたが、「学会にでたら?」とアドバイスをくれた友人のお陰でここに辿り着きました。

引き続き、江戸前寿司を中心に和食について研究し続け、より深い講座を提供していきたいと思います。

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