こんにちは。
海外帰りの寿司屋の娘、Satomiです。

私は現在、「すしを入り口に、日本文化を自分の言葉で伝え、伝統を活かしながら発展させていける人を育てる」
というコンセプトのもと、出張講座やセミナー、監修などの活動を行っています。

私の講座は、すしの作り方を教えるものではありません。
すしという世界共通のテーマを通して、その背景にある日本の美意識や精神性、考え方をひも解き、それを「自分の言葉」で語れるようになることを大切にしています。

皆さんは、寿司を食べる前に「いただきます」と言う習慣がありますか?
この言葉の意味を海外の方に説明できるでしょうか。「日本にしかない言葉」と聞いたことがある人もいるかもしれません。

でも、世界を見てみると、食前に祈る文化もあれば、声をかけ合う文化もあります。
今回は、世界の食前・食後の言葉を紹介しながら、日本の「いただきます」と「ごちそうさま」がどのような位置づけにあるのかを整理してみます。

※本記事は公開されている資料や一般的な用例をもとに作成しています。地域差や解釈の幅がある点はご了承ください。


海外にもある食前の挨拶

世界の食前挨拶には、向かう先や意味が国によって異なります。
大きく分けると、次の3つのタイプがあります。

  1. 神に向かう文化:キリスト教圏・イスラム圏・ユダヤ教

  2. 人に向かう文化:韓国など

  3. 行為開始の合図として使う文化:声をかけるだけの国も存在


韓国:「잘 먹겠습니다(チャル モッケッスムニダ)」

韓国では食前に「잘 먹겠습니다」と言います。直訳すると「よく食べます」という意味です。文法的には、これから食べるという意思を示す丁寧表現です。

この言葉は、主に料理を作ってくれた人やごちそうしてくれる人、その場にいる人に向けて使われます。
韓国社会は歴史的に儒教倫理の影響を受けており、対人関係や敬意を重んじる傾向があります。そのため、この表現は「これからありがたくいただきます」という関係性を確認する言葉として機能しています。


キリスト教圏の食前祈り(Grace)

アメリカやヨーロッパの一部では、食前に祈りを捧げる習慣があります。
例:「Let’s say grace.(感謝の祈りを捧げましょう)」

これは神への感謝を表す祈りで、毎食必ず行うわけではなく、宗教的家庭や行事の場で行われることが多いです。
ここでは、食事は神から与えられた恵みとして位置づけられ、神と人間の垂直関係が中心になります。

私のアメリカの友人宅では、食前に「Let’s Eat」、食後には作ってくれた方へ「Thank you」と言っていました。


イスラム圏・ユダヤ教の食前・食後の祈り

  • イスラム圏

    • 食前:「ビスミッラー(神の御名において)」

    • 食後:「アルハムドゥリッラー(神に感謝します)」

  • ユダヤ教

    • 食前:「Birkat Hamotzi(パンの祝福)」

    • 食後:「Birkat Hamazon(食後の祝福)」

これらは宗教的実践の一部で、神への帰属や感謝が明確に言語化されています。
他国にも食前・食後の言葉は存在しますが、その向かう先や意味合いが国ごとに違うのが面白いポイントです。


日本:「いただきます」と「ごちそうさま」

日本語の「いただきます」は、謙譲語で“へりくだって受け取る”という意味があります。
神の名前は出てきません。特定の誰かの名前も出てきません。
しかし、食材、作り手、自然、命など、さまざまな存在を包括する形になっています。

宗教的な背景を持ちながらも、宗教色を前面に出さない。
礼儀でありながら、日常に完全に溶け込んでいる。

この点が、日本語の「いただきます」と「ごちそうさま」の特徴です。


まとめ

文化の形は違っても、どの社会も「食べる」という行為に何らかの意味を与えています。

では、皆さんは「いただきます」を誰に向かって言っている言葉だと思いますか?
その意味をどう説明しますか?コメントでぜひ教えてください。

参考・引用

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